第1章
論文の書き方◆第42節 ひらがな、カタカナの書き方
第42節 ひらがな、カタカナの書き方
1930年代までは、漢字より かな を、いくばく、小さく書けと教えられていた。
いまでも、そう信じている人が、けっこう、多い。
1960年代になって、レタリング界の一部から、漢字と かな を同じ大きさに書いたほうが、読みやすいのでないかとの意見を生じてきた。
で、わたくしもテストを反復してみた。
なるほど、同じ大きさのほうが読みやすい。
で、諸君にも、このことを、お奨めするため、同じ大きさを希望するものである。
ひらがな、カタカナは、上手な文字を書くことよりも、タイピストに読み違えられない文字を書くことを大切とされよ。
コマの中での文字の上下枠に乗る、乗らないにつき、次図のとおりとされよ。
(△2)
ひらがな、カタカナについても、表が作れる。
下枠にだけ乗せる文字
上・下枠の両方に乗せない文字
せつてにの
い
ひへほわ
アシスセツテヌ
エコニ
ヒフヘミモヨル
ハマムユロ
ワヲン
これだけの文字を、まい日、1回、習字されるとよい。
濁点をつけたとき、すべての文字が上枠から離れることを確認されよ。
(△2)
すべての文字の左右巾は、原則として、コマ巾の1/8ずつを、あけている。
つぎに、まい年、いくばくかの諸君が犯される字形上の失敗について述べよう。
まず「
か
」であるが、もっとも、形をとりにくい。
とあるとき、第1筆は、コマ下限に接すること。第2筆は、コマ上限に接し、コマ下限のそばまでゆくが、コマ下限に接しないこと。
第3筆は、コマ上下限のいずれにも接しないが、その上下巾がコマの上下巾の半分以上あること。
また、この
A
と
B
の巾が、だいたい同じになること、この「
か
」は、活字にあるように書くと、かえって、タイプを打つ者に読みちがえられやすい。
(△2)
つぎの文字の形の混同を避けるよう工夫されよ。
(△2)
この中で、いちばん、多くの諸君の失敗されるのが「
シ
」と「
ツ
」の区別である。
「
シ
」は、2つの点が、タテに並んでいないと困る。
「
ツ
」は、2つの点が、ヨコに並んでいないと困る。
拗音(ようおん)と促音は、小文字とされよ。
(△2)
(例)
き
ゅ
うくつ と
っ
さの
小文字のコマ内位置を、次図のようにされよ。
(△2)
キャ、シュ、ハッなどの拗音や促音は、ひらがなもカタカナもすべてコマの下半分に書き、下枠に付けよ。
(△2)
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