総論 ◆第32節 異なるセックス意識
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第32節 異なるセックス意識


  1. 日本では、目下、週刊誌などでのセックス公開が、花ざかりである。また、それに呼応するように、街場でのセックス話も、大っぴらなものになっている。トルコやモーテルも、盛んである。

  2. 一方、欧米に行くと、日本で考えられないカットなしのポルノ映画を、堂々と映画館で、やっている。
    また、ポルノ雑誌専門店に行けば、とうてい、日本で許されない猛烈な本が、並べてあるし、ポルノ8mm 映画も、平気で売っている。
    また、フリー・セックスの習慣も、日本より、罪悪感なく行われている一面がある。
    別の形では、日本にないヌーディスト・クラブもある。

  3. そこで、欧米に出かけた日本人は、セックス開放についての先進地にやってきたように思い、日本でやっているよりも、もっと、伸び伸びと開放的に行動しようと、しやすい。
    で、ガツンとやられる。

  4. まず、欧米人女性は、プレーボーイという雑誌を見るにも、人前で決して見ない。
    ポルノ映画館に入ってみると、欧米人は、フーフーいって見ている。日本人は、ケロリと見ている。
    わたくしは、ある欧米人に案内されて、ポルノ雑誌店に行った。なるほど、すごいなと思ったが、別に、興奮もしなかった。
    ところが、案内して行った欧米人男子が、その1冊をひろげて立ち読みしだすや、ガタガタ、震え出し、フーフーいっている。「なんじゃい。こりゃ」と思った。わたくしのほうで、あっけにとられた。

  5. つまり、性公開やフリー・セックスは、かれらの世界でも、思い切った行為なのであり、一般人は、やりたくて、しょうがないが、それを、こっそり、やっているのである。
    日本人より、セックスについて、すぐに、欲しがり、なんでもがセックスに関係したものに見え、それを、こそこそやっては、オーバーに興奮している。
    つまり、日本人でいえば、中学生にあたる。
    そこに、日本人の大人が、サラッとして、あけっぴろげをやらかすから、連中は、ビックリし、次には、日本人を野蛮人と見る。

  6. たとえば、男性客が、ホテル従業員である女性にトイレの位置を尋ねただけで、その女性は、侮辱されたと思ったり、顔を赤らめたりする。

  7. ホテルでも、異性の部屋に入るとき、ドアをあけっぱなしにする。

  8. 異性の前では、うっかり、靴も脱げない。
    どうしでも、目の前で脱がなければならないときは、うしろを向いて、脱ぐ。

  9. こういった、欧米人のセックス意識過剰を知っていなければならない。

総論
[エージェントマンに作法は要るか] [作法とは] [作法の目的の分解] [作法は自分のためならず]
[「われわれ」の伸縮] [「より外なるわれわれ」のために] [互恵主義] [作法は森羅万象のためのもの]
[品物を大切にせよ] [与えられた文明には心が乗りにくい] [ゴツイ人物のやり方]
[自分自身がどうしてよいか分らないとき] [どうしようか迷っている相手に対しては]
[作法的なつもりで無作法を行なう者をどうするか] [改まり方・くずし方] [作法とサービス]
[作法と生産性] [心と型] [動機論か結果論か] [媚と反媚] [作法と自然さ] [作法の流儀]
[統一型作法と並列型作法] [欧米との流儀の融和] [アメリカ作法を見誤るな] [一般と特殊]
[3種類の動作] [作法と体型] [作法と風習] [作法と大衆] [作法と女性] [異なるセックス意識]
[作法とヤング] [雑音を嫌う] [あとしまつの技術] [縮小化のわきまえ]
[そこまでやるのか。そこまでやるのである] [作法のために頭が痛くなれ] [教授法での注意]
[説明するな] [作法研修先での注意] [この本での対象作法の限定] [この本の編序] [用語の約束]
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