私たちがホテル学校に在籍した頃は、ワープロがない時代でした。
林先生が毎日のように作成される文書や、私達生徒が課題として作成した文書は、すべてガリ版謄写印刷機で印刷して皆に配布しました。学校の授業が終わった後、印刷係の生徒達が毎日忙しそうでした。
「グループを作れ。人類はグループを作ることで進歩してきたんだ」とおっしゃって、生徒の中にいくつものグループを作られました。
一番大きなグループは、「創業計画」グループです。
「シティホテル」「ビジネスホテル」から「喫茶店」など、10余りのグループがあったと思います。各グループが4~5名からなり、各自、2つのグループに属しました。
そしてその他に多くの委員を作られました。例えばジャズ委員、UG対策委員、チーズカット委員、ネクタイ作成委員、色彩委員などです。委員は1~2人の少人数だったと思います。各委員はその課題について調べ、文書作成の書式に沿って文章を作成して、林先生宅に持参して審査を受けます。1回で通ることはまずなくて、2回目3回目で通ったものをガリ版印刷して皆に配布します。
各委員の文書は比較的短かったのですが、創業計画書の方は量が多いので大変な思いをしました。私はビジネスホテルのグループでしたが、私の自宅に4~5人の人が来て徹夜して原稿を作成しました。原稿の審査のために、先生のお宅に2人ぐらいで伺ったと思います。
お宅に伺うと、奥様がいつもお茶を出してくださいました。夕食の時間に伺うときは、「夕食を食べないでおいでください」とおっしゃって夕食を出してくださり、早朝に伺うと朝食を出してくださいました。
私は経験しませんでしたが、原稿の審査が長引いて徹夜になり、そのまま一緒に学校に行ったグループもあったそうです。
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