第5節 立集団内の秩序維持
【型1】立待ち行列
行列を造って、なにかを待っておられるとき、前の人との間を、1m 以上、あけられるな。
【型2】行列外待機
切符売場で行列をつくっているようなとき、こちらの仲間が2名以上であって、切符をその代表者1名が、買えばよいというとき、その切符を買う担当者以外の方は、行列の中に並ばずに、待っておられよ。
【型3】順番とらせ
行列にならんで、なにかの順番を待つというとき、先に代役を行かせ、行列の中にならばせ、あとから、本人が行って、代役と列の中で交替するというやり方は、国際習慣として、はなはだ、卑劣なやり方とされている。
これを、なさらぬように。
【型4】列に戻ったとき
- なにかの番を待つ行列の中にいて、手洗い、その他の用事のため、列を離れたときは、ふたたび、列に戻ってこられたとき、列の最後尾に立たれよ。
- ただし、30m 以上の行列で、番を待つため、仲間が、2名以上で、行列に入っているとき、その中の1名が、行列を離れたのち、行列の最後尾についたのでは、仲間とはぐれやすい。
- 行列から離れるにあたり、すぐあとに続いている人に対して。
Would you please save my place ?
I'll be back in a minute. と聞かれよ。
- また、こうして聞かれたときは、
All right. Don't worry. と答えられよ。
- こうして、列外に出たのち、戻ってきたならば、先刻の約5名に対し、黙礼されよ。
【説明】
こういったやり方は、国際習慣なのであって、日本人は、これらを知らないから、はなはだ、嫌われる。
【型5】奥に詰めよ
- 軟集団*で、出入口の1つしかない部屋に、つぎつぎと入っていったものとする。
日本人集団は、こういうとき、しばしば、先に入った者が部屋の入口に溜まり、あとから入ってくる者を、入れなくする。
第2章2節【通解】「群集と集団」を開きます。
- その心理は、この部屋を出て、つぎに向かうとき、少しでも、自分が、はやく、進み、それだけ、多くを見ようと考えることによる。
- この集団の引卒者が、限られた30分間ならば30分間に、少しでも多くの部屋を見せようとしたり、入口付近で、小声で説明したりするところから、こういう集団内競争を発生させるのであるが、そういう、粗末な案内に馴れている個人個人としては、よしんば、引卒者が、合理的に時間設計しているときでも、ガツガツ身がまえることとなる。
- そこで、引卒者としては、
「みなさま、お時間を充分に準備いたしておりますし、わたくしも、みなさま、ご1名ご1名のご覧もれを起こさないよう、注意いたしております。
で、どのお部屋にお入りになられましたときも、先のお方から、奥のほうにお進みいただきまして、入口が、いっぱいにならないよう、お願い申し上げます」
と、くり返して述べるのがよい。
- が、個人個人としても、「万一のときは、損をしよう 」という大悟徹底が要る。
- この心の芽ばえない間、その集団は、烏合の衆であって、社会のお荷物でしかない。
第2章