第2章 集団作法◆第12節 座集団での単独起立・移動など
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第12節 座集団での単独起立・移動など
【型1】遅参入室
- 開会中の会場に、おくれて入るとき、ドアの音を、まったくさせないようにされよ。
それは、である。
自分の身体の形が、たとえ、どれほど、ぶざまになっても、ドアの音をさせないことのほうが、はるかに大切であるということ。
- こうして、ドアを閉め終わったならば、演壇にいる人のほうを向かれよ。
このとき、身体をまわす方向は、回転角度の少ないほうでされよ。
- そこで、演壇にいる人に、黙礼されよ。
演壇に、誰もいないときは、会場の中の最高位の人に、黙礼されよ。
演壇に、誰もいないときで、会場の中の最高位の人が「おしのび」で来ておられるときは、誰にも黙礼されないこと。
- 黙礼をするとき、1歩、前に進み出てする場合(イギリス・タイプ)と、そのままの位置でする場合(フランス・タイプ)がある。
フランス・タイプをお奨めする。
- 男性は、短揖*をされよ。
女性は、長礼をされよ。このとき、頭を下げるのと同時に目を伏せられるのが、見ていて、慎み深い。
第5章22節【通解】「揖」を開きます。
- 礼をし終えたのち、くるっと、向きを変えられるのではなく、少しうつむき加減に、ゆっくりと、向きを変えられよ。
- こうして、自席に行かれるには、けっして、足音をさせられるな。
ただし、しのび足の形とならす、普通の歩き方をされよ。
- 頭は、こころもち、下げたままがよい。キョロキョロと見まわしながら、歩かれることのないように。
- 自席に座るまえ、演壇にいる人など、入室時に黙礼した人に、きちんと正対して、もう1度、黙礼(男子は短揖、女子は短礼)されよ。
- それから、イスの音をさせないように着席されよ。
【参考】
観光産業マンは、男女とも、客の前で、「気持ちが悪くなって、しゃがみ込む」「机に、うつ伏せとなる」「卒倒する」といったことを許されない。
なごやかにしつつも、客の生命、財産をあずかっているのであり、客の信頼の対象であるからである。
かならずと言ってよいほど、客への連鎖反応を起こすものである。
そこで、「これは、あぶない」と自分で予感されたならば、なに気なく、席をはずし、客の見えないところに出られよ。
【型2】中座作法
- 中座にあたり、まったく、イスの音をさせられないように。
- 自席で起立したならば、「主」のほうに、軽く、黙礼されよ。
- ここでいう「主」とは、会場内における代表者のことである。
- 出口までのあいだ、まったく、足音をさせず、いくばく、下を向いて、歩かれよ。
- 出口のドアのところで、「主」に黙礼されよ。
- そとに出るとき、けっして、ドアの音をさせられないように。
【型3】録音・撮影
- 座集会で、録音、撮影を行なうとき、その集会管理者の許可を求められよ。
- 撮影にあたり、フラッシュを用いられるときは、とくに、その旨を付して、許可を得られよ。
- 録音、撮影のため、室内を移動するときは、とくに、その旨を付して、許可を得られよ。
第2章