第5章
立居振舞 ◆第5節 身体つきのよい方よ、わるい方よ
第5節 身体つきのよい方よ、わるい方よ
【通解】身体つきのよい方よ、わるい方よ
天性、身体つきのよい方がある。こういう方は、得であられる。
また、天性、身体つきのうまくない方がある。こういう方は損であられる。
ところが、身体つきのうまくない方で、ひとたび、身体を動かされるや、「どうしたのか」 と思われるほど、美しい動きを示される方がある。
こういうとき、身体つきのうまくない方は、逆に、大きな得をされる。
紳士淑女は、その動作を美しくしなければならない。
体形の悪い者は、自分を美しくできないと思い込みやすいが、これは、ちがう。
どのように体形の悪い者でも、その人物としての個性ある美しさを造り出せるものである。
体形のよい者は、美しさを造りやすいと思いやすいが、これも、違う。
体形のよい者は、わすかな臭味も、どぎつい臭味として、人々に、感じとられやすい。
この臭味をなくすことにつき、特段の努力が要る。