第5章 立居振舞 ◆第15節 持ち運び
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第15節 持ち運び

【通解】持ち運び
【型1】持ち運び方
【通解】客のスーツ・ケースの運び方
【型2】立ってからスーツ・ケースを持つ
【型3】スーツ・ケースを持って歩きはじめる
【型4】立ちどまってスーツ・ケースを床に置く
【型5】イスの持ち運び
【型6】飲み物の持ち運び

【通解】持ち運び

持ち運びの型というものは、持つ人の性別、身長、体重、力などによって異なるものである。
また、物品の大きさ、厚さ、重さによっても、異なる。
で、つぎに挙げる型は、第三者から見て、安心して見ていられるという標準的なもの。
ご参考までに。

【型1】持ち運び方
  1. あまりに小さいもののとき、ポケットに入れて運ばれよ。

  2. ただし、客からの預かり物は、下図のように持って運ばれよ。
    図:63a

  3. B4判ぐらいの紙1枚のとき、紙の上の両端を、左右の手でつまみ、この手を、自分のみぞおちの高さとし、胸から約 5cm 離して持たれよ。
    図:63b
  4. ヒラヒラしないように、工夫して持たれよ。
    図:63c
  5. B6判ぐらいから下の小さい品物を手に持って運ぶとき、

    1. 手のこぶしの高さを、みぞおちとヘソの間とし、
    2. 品物を安定させるため、手の甲を外側に30度以内の範囲で傾け、
    3. その前膊は身体に密着させず、
    4. 肱をうしろにつき出さず、
    5. その腕は振らないようにして、運ばれよ。


  6. しかし、相手の品物や、相手に与える品物であるとき、前膊を水平にされて持たれてもよい。



  7. B5判、B4判ぐらいの品物のとき、つとめて、左手に抱えられよ。
    図63d

  8. A4判を超える大きさのものは、脇にかかえられるか、また、下にさげられるかされよ。
    図:64a
  9. 筒などは、胸に、かかえられよ。エレベーターに乗ったときなど、まわりの人に迷惑をかけないためである。
    図64b

  10. ショルダー・バッグについて
    建物の中で、ショルダー・バッグは、ヒモを小さくまとめて、必ず手に持つこと。
【通解】客のスーツ・ケースの運び方

お客さまのスーツ・ケースを運ぶことはなんでもないようで、うかうか、行なうと、品物を壊すし、自分も、筋違いの関節炎をおこしたりする。

【型2】立ってからスーツ・ケースを持つ
  1. * をする。

  2. 上体だけを曲げ、スーツ・ケースを持つ。
    1. 斜滑降スタイル
      両足をそろえ、身体をひねりながら両ひざを曲げてスーツ・ケースを持つ。
      (女子に限る)

    2. バタフライ・スタイル
      軸足のひざを曲げずに、片方の足をうしろに伸ばし、上体だけを曲げてスーツ・ケースを持つ。
      (男子に限る)

    3. 片ひざ曲げ型
      両足をそろえ、スーツ・ケースと反対側の足を軸足にして、スーツ・ケース側の足のひざと上体だけを曲げてスーツ・ケースを持つ。
      (男女用)


  3. スーツ・ケースを持って、半歩うしろにさがり、両足をそろえる。

  4. 横ずさりして片側に退去する。
【型3】スーツ・ケースを持って歩きはじめる
  1. スーツ・ケースをゆらされるな。

  2. からだを側方に傾けられるな。
【型4】立ちどまってスーツ・ケースを床に置く
  1. 上体を曲げ、スーツ・ケースを床に置く。

    1. 斜滑降スタイル……女子に限る。

    2. バタフライ・スタイル……使われるな。

    3. 片ひざ曲げ型……男女共、この型を、つとめて用いられよ。


  2. 半歩うしろにさがり、揖をする。
【型5】イスの持ち運び

イスを運ぶ場合、下図のように目の高さとされよ。

図:65
【型6】飲み物の持ち運び

飲み物を運ばれるときは、必ず胸の高さに持たれ運ばれよ。
(オート・ベンダーなどの飲み物で、紙コップを室内まで持ち運びされる場合に、とくに注意されよ)


第1章 立居振舞
[まい日の練習] [固くなるな] [カタギ身振りを取り去られよ] [ヘッコラされるな]
[身体つきのよい方よ] [個性とは] [全体のバランスを] [強さをも] [表情など]
[姿勢] [しゃがみ] [起立と着席] [歩行] [段などの昇降] [持ち運び] [振り返りなど]
[ドア作法] [うしろ向き] [手信号] [すれ違い] [人前横切り] [お辞儀] [握手]
[呼ばれての対応] [物品授受] [目上との同行] [紹介] [失敗対策]
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