第15節 持ち運び
【通解】持ち運び
持ち運びの型というものは、持つ人の性別、身長、体重、力などによって異なるものである。
また、物品の大きさ、厚さ、重さによっても、異なる。
で、つぎに挙げる型は、第三者から見て、安心して見ていられるという標準的なもの。
ご参考までに。
【型1】持ち運び方
- あまりに小さいもののとき、ポケットに入れて運ばれよ。
- ただし、客からの預かり物は、下図のように持って運ばれよ。
- B4判ぐらいの紙1枚のとき、紙の上の両端を、左右の手でつまみ、この手を、自分のみぞおちの高さとし、胸から約 5cm 離して持たれよ。
- ヒラヒラしないように、工夫して持たれよ。
- B6判ぐらいから下の小さい品物を手に持って運ぶとき、
- 手のこぶしの高さを、みぞおちとヘソの間とし、
- 品物を安定させるため、手の甲を外側に30度以内の範囲で傾け、
- その前膊は身体に密着させず、
- 肱をうしろにつき出さず、
- その腕は振らないようにして、運ばれよ。
- しかし、相手の品物や、相手に与える品物であるとき、前膊を水平にされて持たれてもよい。
- B5判、B4判ぐらいの品物のとき、つとめて、左手に抱えられよ。
- A4判を超える大きさのものは、脇にかかえられるか、また、下にさげられるかされよ。
- 筒などは、胸に、かかえられよ。エレベーターに乗ったときなど、まわりの人に迷惑をかけないためである。
- ショルダー・バッグについて
建物の中で、ショルダー・バッグは、ヒモを小さくまとめて、必ず手に持つこと。
【通解】客のスーツ・ケースの運び方
お客さまのスーツ・ケースを運ぶことはなんでもないようで、うかうか、行なうと、品物を壊すし、自分も、筋違いの関節炎をおこしたりする。
【型2】立ってからスーツ・ケースを持つ
- 揖
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をする。
第5章22節【通解】「揖」を開きます。
- 上体だけを曲げ、スーツ・ケースを持つ。
- 斜滑降スタイル
両足をそろえ、身体をひねりながら両ひざを曲げてスーツ・ケースを持つ。
(女子に限る)
- バタフライ・スタイル
軸足のひざを曲げずに、片方の足をうしろに伸ばし、上体だけを曲げてスーツ・ケースを持つ。
(男子に限る)
- 片ひざ曲げ型
両足をそろえ、スーツ・ケースと反対側の足を軸足にして、スーツ・ケース側の足のひざと上体だけを曲げてスーツ・ケースを持つ。
(男女用)
- スーツ・ケースを持って、半歩うしろにさがり、両足をそろえる。
- 横ずさりして片側に退去する。
【型3】スーツ・ケースを持って歩きはじめる
- スーツ・ケースをゆらされるな。
- からだを側方に傾けられるな。
【型4】立ちどまってスーツ・ケースを床に置く
- 上体を曲げ、スーツ・ケースを床に置く。
- 斜滑降スタイル……女子に限る。
- バタフライ・スタイル……使われるな。
- 片ひざ曲げ型……男女共、この型を、つとめて用いられよ。
- 半歩うしろにさがり、揖をする。
【型5】イスの持ち運び
イスを運ぶ場合、下図のように目の高さとされよ。
【型6】飲み物の持ち運び
飲み物を運ばれるときは、必ず胸の高さに持たれ運ばれよ。
(オート・ベンダーなどの飲み物で、紙コップを室内まで持ち運びされる場合に、とくに注意されよ)
第1章 立居振舞