第20節 媚と反媚
- 作法と媚(こび)とは、関係がない。作法を媚の手段であるように思うのは、教養が足りない。しかして作法を媚の手段に使おうとしてはならない。
- 作法を守っている者を眺める第三者が、「あいつは媚びてやがる」と思うのは、たとえ、そこに媚の事実があったとしても、好ましいことでない。
- 自分が媚びていもせぬのに、第三者から媚びていると思われないようにするため、故意に、粗暴な振る舞いをして見せる者は、最も、人間として、幼稚な者である。
たとえば、相手につっかかっているところを第三者に見せようとするなど。つっかかれば、相手との間がうまくゆかない。歯車と歯車の間すら、油がよく入らなければ、歯車同士、よく回わらない。人と人とが、つっ張り合っていて、何ができようか。
- 丁寧にしている人を見て、とやかく、思うものでない。自分が丁寧にすることを、第三者から、とやかく,思われると気にするものでない。すべては、さらっとしていなければならない。