総論 ◆第20節 媚と反媚
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第20節 媚と反媚


  1. 作法と媚(こび)とは、関係がない。作法を媚の手段であるように思うのは、教養が足りない。しかして作法を媚の手段に使おうとしてはならない。
  2. 作法を守っている者を眺める第三者が、「あいつは媚びてやがる」と思うのは、たとえ、そこに媚の事実があったとしても、好ましいことでない。
  3. 自分が媚びていもせぬのに、第三者から媚びていると思われないようにするため、故意に、粗暴な振る舞いをして見せる者は、最も、人間として、幼稚な者である。
    たとえば、相手につっかかっているところを第三者に見せようとするなど。つっかかれば、相手との間がうまくゆかない。歯車と歯車の間すら、油がよく入らなければ、歯車同士、よく回わらない。人と人とが、つっ張り合っていて、何ができようか。
  4. 丁寧にしている人を見て、とやかく、思うものでない。自分が丁寧にすることを、第三者から、とやかく,思われると気にするものでない。すべては、さらっとしていなければならない。

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