総論 ◆第19節 動機論か結果論か
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第19節 動機論か結果論か


  1. 「わたくしは、いつも、自分のことより、人々のことを考えています。そこで、スマイルといった表面上のことに気を配るのは、相手と自分を卑しめるものと思います」
    動機論的にのみ作法を追求すると、こういうことにもなる。
  2. 「わたくしは、相手を火の中から救おうと思ったので、相手を突き飛ばしたのです。で、相手は助かりました」
    これは、立派な作法である。動機も、結果もよいから。
  3. 「わたくしは、相手を火の中から、救おうと思ったので、相手を突き飛ばしたところ、相手が、窓から落ちて、死んでしまいました」
    これは、作法として半分アウト。動磯がよく、結果が悪い。
  4. 「わたくしは、相手を焼き殺してやろうと思ったので、相手を火の中に、突き飛ばしました。ところが、相手は、火の向こうまで飛んでしまい、かえって、助かりました」
    これは、作法としてアウト。動機が悪く、結果のみよい。
  5. 「わたくしは、相手を焼き殺してやろうと思ったので、相手を火の中に、突き飛ばしました。うまく、相手は、死にました」
    これは、動磯も結果も悪く、作法でない。
  6. 人は、まごころを込めて行なっても、人々に、迷惑をかけることがある。
    このとき、迷惑をかけることまで考えない、まごころは、子供のまごころである。
    迷惑を考えるまごころは、大人のまごころ。

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