第4章 美容と服装 ◆第2節 記号性
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第2節 記号性


  1. 作法として、美容・服装を考えるとき、「自分の身分・職業・立場を示す」という目的があった。
  2. この中の「立場」であるが、ここでは、「いま、自分が、なにをしようとしているか」ということである。
    たとえば、スポーツをしようとしていれば、スポーツ着を着るであろう。
    儀式に出席しようとしていれば、儀式服を着るであろう。
  3. スポーツ着、儀式服には、身のこなしを容易にする目的もあるが、いまの自分の立場をあらわしている「記号」の性質が含まれている。
  4. ことに、儀式服ともなれば、単に、儀式に参加する服装というだけでなく、自分の身分をあらわす「記号」としての形ということにもなる。
  5. スポーツ着のときも、キャプテンは、赤線の1本入ったパンツをはいているといった、スポーツの世界での身分を、赤線という記号であらわしもする。
  6. 作法として、美容・服装を考えるとき、はなはだ、この「記号」性について考えるところが強い。
  7. 美容・服装上の記号は、単なる約束である。
  8. その約束は、はじめ、物理的な必要によって生じ、のち、それが、風習として残っているものである。
  9. その約束は、徐々に、変ってゆくが、政治革命でもないかぎり、急に変ったりしない。

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