第20節 着替えなど
【型1】ホテルの廊下は道路と同じ
- ホテルの中で、まず、自室の中では、素裸でいてもよい。
- 廊下に出るときは、たとえ、向い部屋にとび込むためでも、ホテルの外の道路を歩いて、ゆるされる最低限の服装をしなければならない。
このことは、ハワイ、バリ島でも、ことごとくそうである。
【通解】ドアを通る前に
- 日本人には、「チョットだけね」 のくせというか、甘えというかがある。
これは、日本人社会の中だけ、大目に見られ、欧米では、大目に見られない。
かならず、ノー。
- 駐車禁止のところに、ちょっとだけ、駐車する。
つかまると、「すみません。タバコを買いにいったもんで」
- 泊まっているホテルの向かいの仲間の部屋に、ステテコのまま、とび込む。
廊下は、「ちょっと、渡っただけ」 これも、ノー。
とくに本校生がヨーロッパ研修に行ったときなど。
- 便所から出てくるとき、手を拭きながら、廊下に出てくる。
ひどいのは、ズボンの前のボタンをかけながら出てくる。ノー。
- 学校で、体育の授業が終わり、A君は、滝のように汗が出ていた。
しかし、つぎの授業に、間にあわないとあって、とりあえず、ワイシャツを着る。
しかし、胸はだけ、ネクタイと上着を両手に、それぞれ持って、階段を上がって、来た。
- これなどは、日本での一般常識からすればOKである。
が、欧米であると、ノー。
また、日本でも、ホテル学校では、ノー。
- では、どうすべきか。
汗を拭きとり、服装を正したのち、体育室を出なければならない。
- また、汗を拭きとれなかったときも、そのまま、服装を正したのち、体育室を出なければならない。
- または、はっきりと 「開襟化」 すべきである。
- で、ドアの外ですべき服装に整えたのち、ドアの外に出るということ。
また、ドアの中ですべき服装に整えたのち、ドアの中に入るということ。
そこを、厳しくしなければならない。
【型2】特定の着替え場所
- 欧米では、建物の中でも、航空機の中でも、大便所の中を、着替え室として使うという一般的な習慣がある。(バス・ルームでも可)
そこで、着替えを、これらのところで行なうことに、身体を馴らされよ。
- 車の後部座席にすわったまま、ズボンやスカートをはきかえることを訓練されよ。
欧米でのドライブ旅行のとき、必要である。
車の後部座席は、着替え室でもあるということ。
【型3】点検
- 服装を整えたとき、そばに、人がいれば、点検を頼まれよ。
- このとき、点検者は、身振りで教え、声を出されるな。
- 点検者を得ないとき、極力、鏡を使われよ。
【説明】
- 職場で、仲間同士、また、上役と部下との間で、いつも、たがいに、服装をなおしあうことを習慣とするよう、そういう風習をつくられたい。
ネクタイのゆがみ、ポケット・チーフのゆがみ、ワイシャツの襟のはみ出し、肩や襟のチリ。
鏡のないとき、自分では、なおせない事項について、たがいに、なおすのである。
- 会社によっては、何時0分というとき、いっせいに、それを行ない、服装点検といっしょに、時間の進み行きの意識化のよすがにしているところもある。
こういうことをすれば、始め、従業員は、窮屈がって、なかなか、行なわないが、習慣になってしまうと、すこぶる、よいものである。
【型4】人前でくしを使う
- 人前でくしは使用してよい。
- 使用してならないときは、お祈りのとき、儀式、会議、勤務、食事中など。
- 食事のときも、ナプキンを広げる前は可。
ただし、毛を落とさぬよう注意のこと。
- 原則として、くしだけで行なうが、不可能な場合は、直接、手を添えず、ハンカチーフ、ティッシュ・ペーパーで隠すようにして行われよ。
- 元来は、洗面所で使うもの。
(日本では、古来、人前でくしを使うのは、失礼)