第4章 美容と服装 ◆第10節 男子礼服の細部 |
シングルのスタンド・カラーで前折 |
前は、
下前身頃台襟、
上前身頃台襟、
下前カラー、 上前カラーの順に、4つのボタン・ホールを重ねて、前ボタンでとめる。
後ろは、後みごろ台襟、後カラーの順に、2つのボタン・ホールを重ね、後ボタンの頭を折ってとめる。 |
シャツは、左図の点線の部分だけ布地を2重とし、カフスと同様に、糊をコチコチに付けてある。
(いわゆるイカ胸) 胸はスタットでとめる。 |
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エドワード7世陛下が展覧会のオープニングに出席のとき、フロック・コートでは、大げさすぎるとして、黒の上着に、縞ズボンという折衷案になさったのが、このディレクターズ・スーツの始まりである。
これは、朝から夜まで用い、仕事のかたわら、行事に参加することもできるので、戦前は、愛用された。
襟は、流行にもよるが、襟巾は、レギュラーがよい。(変わり襟、ステッチ、不可)
流行に左右された襟巾の大小は、流行が去ったときに用いることができなくなる。
で、礼服類の布地は、上等なものが多いため、レギュラーとしておくと、長く着用することができる。
夏冬兼用にするために、薄地の三つ揃いとし、裏を背抜きするとよい。
ベントは、乗馬服や運動服など、激しい動きをするために、採用されたものである。
スポーティな服やオフィス着に付けるとよい。
普通、ベントのことを、ベンツと呼ぶ。
上着が、シングル1つボタンのとき、三つ揃いとするのが正式である。
上着のボタンは、チョッキを着用しているとき、はずしていてよい。
が、チョッキを着用していないとき、着座していないかぎり、かならず、はめていること。
上着がシングル2つボタンのとき、上の1つをはめていればよい。
ベルト布と前ズボンの縫目に、時計が入るだけ、口をあけたポケット。
時計の鎖をベルトに通して、ズボンのポケットに入れる。