第34節 雑音を嫌う
- 日本では、人中での作法というと、雑音を立てることより、形の悪くなることを嫌う。
国際作法では、反対で、形は二の次。雑音を立てることを、すこぶる嫌う。
ひそひそ話。ひとりごと。咳の音。鼻をかむ音。イス音。食器の音。子供をキャーキャー言わす音。足音。ドアの音。カネの音。カギの音。
音を立てないことにつき、まず、うまくなられよ。
- 雑音について、ついでに考えておきたいことは、「緊急」のときの「叫び」についてである。
自分が危ないとき、大声を出してよい。
このとき、一般作法を忘れてよい。
- が、自分が危ないからといって、大声を出したとき、そのため、かえって、相手を狂暴にする可能性があれば、声を出しても、小声しか出せない。
- 次に、自分は危なくないが相手が危ないものとする。そのとき、大声を出して、注意を与えれば、作法的ですらある。
- が、こちらが大声を出したため、相手が、かえって、ビックリして、動けなくなってしまったとすれば、これは、結果が悪い。
- また、相手が危険とあって、大声を出したとき、まわりの人たちが動揺しなければ、この大声は、出したほうがよい。
- が、まわりの人たちが動揺して、その場の秩序が混乱に陥る可能性を感ずるとき、大声を出せない。
- いずれにせよ、大声は、「危険」に対してのみ、発するものであり、その危険のときすら、影響を考えて、発しなければならないものである。
- スポーツのとき、その観覧のとき、ロックなどの観覧のとき、大声を出すのは、日ごろ、大声を出せない社会習慣からくるストレス解消のためと見たい。