第9章 作法での国別特殊事情◆第8節 欧米人の足にさわるな
前節 次節

第8節 欧米人の足にさわるな


欧米人の足(もも、ひざ、すね、足先)をさわると、日本人が頭をさわられたと同じように思う。
緊急の場合をのぞいて、さわられるな。

【説明】
  1. 日本人によく、「あんた、どう思う?」とか「あんたは、まったく、えらい」とか言っては、相手の膝をたたく人がいる。実は、わたくしにも、このクセがある。
    これは、ほっぺたをピチャピチャたたいたのと同じとされる。
    日本に来て1年以上になる欧米人は我慢して、笑っているが、欧米にいる欧米人は、カッとおこる。
  2. わたくしの、とくに親しいドイツ人の博士が、ときどき、日本に来て、拙宅に泊まる。
    彼も呑むし、わたくしも呑む。で、いっしょに、ゴロ寝をする。いっしょに、いろいろのワルイところも見に行く。このつきあいは、もう20年になる。
    ある朝、かれが、起きなかった。わたくしは、「起きろ、起きろ」と言った。
    とうとう、彼の足のオヤユビを、ちょっと、つまんだ。
    その瞬間、かれは、猛然とおこり出し、別人のごとくなった。
    かれは、よく、わたしの鼻をつまむ。かれは、わたくしの耳をひっぱる。わたくしも、かれの耳をひっぱる。
    考えてみると、かれは、わたくしのヘソから下には、一切さわらない。
  3. よっぱらったりして寝ている欧米人に、靴とか、靴下を脱がせていると、親切と受けとらず、侮辱されたととる。
  4. それから、海水浴など、いっしょに、はだかになったとき、相手の足にさわらない注意が大切である。

ホーム 章トップ
前節 先頭行 次節