第4章
美容と服装 ◆第4節 鏡と姿一般
第4節 鏡と姿一般
【参考】
古事記、日本書紀で、天照大神が、天の岩戸に隠れたもうたとき、「鏡」を使って、大神を岩戸から出したてまつったとある。
こん日、日本で出土している鏡は、イエス・キリストのころの物はザラであり、それは、多く、中国産のものであった。
ところが、ヨーロッパというところは、鏡の歴史の遅れたところであって、AD1030年代に、やっと、磨いたブリキ、ガラス、石などを用いはじめている。
水鏡よりは、多少、まし、という程度のものであった。
それが、わずか、500年足らずの1480年代には、ベネチアで、水銀を貼ったガラスの鏡を作り出し、こん日のものと、ほとんどかわらないものにしてしまった。
【型1】鏡
紳士淑女たる者、みずからの居住所に、全身の写る(身長の半分があれば、全身が写る)鏡を持たれよ。
3面鏡がよい。
服装、挙動を、自己点検するためのもの。
鏡の前で、いつも、仕草をしていると、自分が、かわってくる。
着物の種類によって身体つき、仕草(しぐさ)をかえることも大切。
【説明】
【型2】
比長
a0/b
a1/b
a3/b
a4/b
a2/a0
a4/a0
a5/a0 …(何等身)
比長には、まだ、ある。各自、考えてみられよ。
各自、自分の比長をはかり、図にえがいてみられよ。
自分が、なりたいと思っているタイプと、人が、自分を見たときのタイプのズレを発見されよ。
そこで、はじめて、自分をほんとうに美しくする眼を持つことになる。
つぎは、配色美である。
男子は、頭髪、眼、ワイシャツ、ネクタイ、上着、ポケット・チーフ、ズボン、靴下、靴の「9色の配合」につき、正式の場での服装でないときを含め、気品あり、美しいものであるようにすることにつき、努力されよ。
女子は、頭髪、眼、上着、スカート、靴下、靴、ハンド・バッグの「7色の配合」につき、気品あり、美しいものであるようにすることにつき、努力されよ。
ところで、配色美と比長美は、分離できない関係を持っており、ここでは、まず、比長美を考え、ついで、配色のなかで、かえられない運命的なものを見出し、ついで、可変的な部分について、好ましい色を探し出すという順序で、つくり上げるのがよい。
なぜ、白人のばあい、長髪が似合うかと申せば、身体の比長において、頭部が小さく、おまけに、頭髪色が、目立たない弱さを持っているから、長髪が、頭部の印象を大きくし、しかも、やさしい印象をつくる効果を持つからである。
この点、頭比長が大きく、黒髪を持つ東洋人のばあい、ただ、そのマネをすると、醜悪となる。
ただ、東洋人でも、頭比長(脳天からアゴまで)が、全身の1/8以下であるとき、長髪は似合い、しかし、白人のように、ソフトなムードを造ることは、できなく、厳しさの美のみとなる。
欧州やニューヨークあたりで、目のさめるようなブロンド長髪のウェーターがいるとき、なんとも、清潔で、やさしく、美しい。
黒色短髪にあわせる、この先の美のつくりかたを、各自に考えてみられたい。
【型3】第1に清潔さを
男女とも、美容・服装は、第1に「清潔」ということを考えられよ。