第7節 回教国
- 回教国、つまり、イスラム教(マホメット教ともいう)を国教としている国である。
インドネシア、マレーシア、バングラデッシュ、パキスタン、イラン、イラク、アラブ連合諸国。
- 左手を不浄とみる約束がある。用便後、自分の尻を拭くときに、左手を使う。
- そこで、自分の左手で、人にさわったりできない。
- 左手で、たベものを食べたり、できない。
- 食事を、ことのほか、神聖視する。
- そこで、こちらが、食事をしているところに、誰か来たならば、こちらは、ただちに、食事をやめて、「ごいっしょに、どうぞ」と言わなければならない。
そうしないと、相手を、見くだしたことになる。
- それだけに、こちらが入っていって、そこにいる人たちが、食事をしているのを見てしまったならば、すぐに室外に出る作法が必要となる。
それでも、中の人は、飛び出してきて、「ごいっしょに、どうぞ」と、言うであろう。
こちらとしては、「ありがとう。しかし、いま済ましてきました。どうぞ、ごゆっくり。1つだけ、用事を済ましてきます。1時間ほどして、また、伺います」とでも申して、出てくることである。
- それから、回教徒は、異教徒と、いっしょに食事をすると、神さまから叱られる、と考える約束を持っている。
- そこで、回教徒でないこちらが入っていったとき、こちらに食事を出しても、決して、いっしょに食べないで、我慢するし、こちらにだけ接待する。
そこで、こちらとしては、かならず、1度は立ち上がって、「ごいっしょに、いかがですか」と申し、先方が、固辞したとき、「それでは、いただかせていただきます」と申して、食べ始めることになる。
- 回教国では、豚と酒が禁物となっている。
これは、その話をするだけでも、いけない。
- こちらとしては、たとえば、観光ガイドをしているときなど、ひそかに、酒を売っているところにも、客を案内しなければならない。
が、あくまで、それは、こっそり行なうという態度が必要である。
- インドネシアには、Bintang という国営ビールもあるし、その広告看板が、街道筋に立っていたりもしている。
この国は、回教の戒律がゆるい。
が、こういう国でも、誰も、酔態を示すことができない。控え目にすること。
- 回教国では、写真を撮られると、魂を抜かれると思う考え方がある。
で、こちらは、人物の写真を撮るとき、かならず、その人物から、許可を得なければならない。
許可を得ないで、パチリとやると、こちらの生命は保証されないぐらいに考えられよ。
- そうして、回教寺院の内部を写真に撮るには、殺される覚悟が要るということ。
第9章