第1章 論文の書き方
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第9節 用紙


  1.  論文は、市販のコクヨ「ケ35」(これは、B5判、ヨコ書き、20字×20行、緑罫線のものである)に書かれよ。(△40)

  2. 紙の大きさが違ったり、人によって、あっち向き、こっち向きに書かれていたりしたとき、その論文の束を手にした者は、どのような目に会うかということを、諸君も、いっぺん、「先生業」をやってみられるとわかる。

  3. この機会に、観光産業マンとして、さまざまの種類の用紙を、それぞれ、なんと呼ぶかにつき、考えてみたい。

  4. まず、材料が何であろうが、次図のようにして、つっぱっている物がある。
    用紙
    こういう物のうち、だいたい長辺が30cmを超える物は、Board (板)とか、Plate とか呼んでいるとみたい。

  5. それよりも小さい物は、Card と呼んでいるとみたい。

  6. Card のうち、引換証に使う物を、とくに、Tag (札)と呼んでいる。

  7. また、Card のうち、裏にノリをつけて、なにかに貼り付ける物を、Seal (証印)と呼んでいる。

  8. で、つぎは、この図のようにしたとき、つっぱっていない物であるが、これらを呼ぶ総称はない。

  9. で、こういう物のうち、短辺が10cm以上で、長辺が短辺の10倍以上あるような物を Roll Sheet と呼んで、短辺が10cm未満の物を Tape と呼んでいるようである。

  10. では、長辺が短辺の10倍未満の物をなんと呼ぶかといえば、その短辺の長さの如何にかかわらず、名前がない。強いて呼べば、Paper (紙)である。

  11. さて、その「紙」には、タテ×ヨコの長さにつき、規格のあることが多い。

  12. 各国の工業規格(アメリカならば ASA、西ドイツならば DIN、日本ならば JIS)の中に、それぞれ寸法をきめている。

  13. まだ、国際規格まで進まないところに、人類としての出来のわるさがある。

  14. 日本の JIS では、紙の大きさを、
     
       841×1,189 mm  1,030×1,456 mm
       594×841 mm
      (新聞2面)
     728×1,030 mm
       420×594 mm
      (新聞1面)
     515× 728 mm
       297×420 mm  364× 515 mm
       210×297 mm  257× 364 mm
      (ワラバンシ)
       148×210 mm  182× 257 mm
      (週刊誌)
       105×148 mm  128× 182 mm
        74×105 mm   91× 128 mm
        52× 74 mm   64× 91 mm
        37× 52 mm   45× 64 mm
     10   26× 37 mm   32× 45 mm
    と決めている。

  15. つまり、半分ずつに切っていけば、1つ下の判になるようにしている。

  16. で、諸君に書いていただく論文は、このB5判ということになる。

  17. ところで、日本の用紙は、B5判と称していても、1辺の長さが 5mm程度まで足りないことが多い。

  18. ここには、技術上のミスと不正とが混ざっているわけであって、これが、現代日本の実態なのである。

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