第1章 論文の書き方
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第8節 諸君はどのくらい、こなされるか


  1. 諸君は、この短かい論文を仕上げるのに、はじめのうち、軽く1週間、かかられよう。

  2. で、ある方々は、この論文の提出をやめ、この学科の単位を捨てられる。

  3. すると、ほかの各学科も、実力上、単位がとれないようになっている。

  4. また、ある方々は、まい回、几帳面に論文を提出されるが、同じところを、なおされ、すこしも進歩を示されない。この方々も、卒業されない。要は、実力にある。

  5. つぎは、ウラのウワサをよく集め、流言を信ずることによってのみ、一生を渡ろうとされる方。
    「だれは、文書心得どおりに書いたところ、減点された。実際の採点は、文書心得と、また、違うらしい」
    こういう方は、ほんとうのスタートが半年、遅れられ、やはり、卒業にまにあわない。

  6. つぎは、教務に提出せず、わたくしに、直接提出すれば減点がすくなくて済むと、深く、思い込まれる方。要するに、なまけ者である。

  7. そのうちに、つぎのチエの湧く方がある。
    「1年分の、まい回の課題と、それぞれの提出期限日が、学年始めに公示されているのであるから、先のほうの分まで作り溜めていこう」
    この考え方を、わたくしは、肯定する。
    添削返付された論文を見れば、あとのために作り溜めてある論文も、いっせいに、修正できる。

  8. こうしていって、年によっては、クラスの約半数のメンバーが、学年の途中で、評点100点を得て、そのあと論文免除となられる。
    これには、わたくしのほうが、舌を捲く。
    「いったい、このように細かい文章心得を、どうして、こなしてしまわれたのか」

  9. 諸君は、各自に、つぎのようなグラフをつくり、みずからの進歩、または、退歩を記入していかれるとよい。なお、まい回のクラス平均点も記入されるとよい。
図:グラフ

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