第36節 縮小化のわきまえ
- 諸君に、わたくしが「やれ」と申し上げている作法上の型の中には、「大広間の中でやってこそ、確かに形になるが、これを、小さな室内でやったのでは、大げさになってしょうがない」というものが、いくつかある。
これを、諸君が、小さな教室で、どう処理しておられるかを見ると、次の二手に、分けられる。
- 大広間と、同じように行われて、小さな教室の空気を波立てて、かえりみない。
- 小さな教室で行なうのが、うまくないと知っておられるまではよいが、そのため、ガタガタに、形をくずしてしまわれる。
この2つとも、よくない。
では、どうするか。
答は、次のとおり。
「大広間と、まったく同じに行なうが、しかし、動作を大きくしないし、カドが立たないように、注意して行なう」
- その例を挙げる。起立し、相手にものを言うとき、骨ばんを相手に向ける。物理的に、可能なかぎり。
そのとき、足先の向きや足のならびがどうあろうと、骨ばんから上だけを、はっきり相手に向けてしまう。
その動作が、ソフトなものとなるよう、注意する。