第46節 避けたいことば
- 本講での提出論文では、俗語を用いられるな。(△2)
( )内は、俗語でない言い方の例である。
あ行
いかす(よい、素敵な)
いろいろの(種々の)
いろんな(さまざまの)
お店(店舗、店)
お値打ち(価値のある)
か行
こわい(恐ろしい)
さ行
しっかり(確実に、頑丈に)
じつに(全く)
すごい(恐ろしい)
ずっと(はなはだ、すこぶる)
すばらしい(みごとな、すぐれた)
た行
たいした(甚々しい)
たいへん(すこぶる)
たくさん(多く)
たった(わずか)
だんだん(序々に、段階的に)
ちょうど(過不足なく)
つぎはぎ(寄せ集め)
てきぱき(手際よく)
どしどし(次から次へ)
とても(どのようにしても、はなはだ)
どっと(一度に)
どんどん(あとからあとから)
な行
なかせる(困らせる、感動的な)
なかなか(相当、ずいぶん)
なまじっか(中途半端に)
は行
ぽっきり(〜しか、〜きり)
非常に(はなはだ、すこぶる)
ほんとうに(実際に、はなはだ)
ま行
まだ(いまになっても、他に)
まるっきり(全く)
もう(すでに、もはや)
もともと(本来)
や行
やる(する、行なう )
やっと(ようやく、ついに)
ら行
れっきとした(立派な)
わ行
わざわざ(特別に)
わたし(わたくし)
わりと(比較的)
わりかし(割り方)
- ただし、必要上、俗語をいれたいときは、俗語であることを、ことわる意味で、その俗語の前後を、 「 」 または “
” で囲まれよ。
または、その俗語を、カタカナで表わされよ。(△2)
(例)
青年たちが「いかす」と思うような……
結局、“お金”の……
はやく「お酒」をという声に……
「客の財布」というテーマでは……
これが、1つのヤマであるが………
- ここで、1つの注意が要る。
たとえば、前 1.で、 まだまだ を俗語であると規定している。
そこで、諸君の中には、 まだまだ を使いたいため、これをカギに入れて、「まだまだ」とされる方がある。
これを読んだ読者は、なぜ、「まだまだ」に、カギを付けられているのか、考え込むこととなる。
ときには、読者を、からかっている意味を生じてしまう。(△2)
- 「お客」「お客さま」は、俗語であるが、本講での提出論文では、俗語と考えない約束とする。
よって、 「 」 なども、なくともよい。
- 「おいしい」も、俗語と考えない約束とする。
- 本講の提出論文では、つぎの左のことばを、右のことばに統一せられよ。(△2)
(例)
……たら |
→ |
……たならば |
……なら |
→ |
……ならば |
どれ |
→ |
いずれ |
どういう |
→ |
いかなる、どのような |
どうして |
→ |
どのようにして |
どうする |
→ |
どのようにする |
どんな |
→ |
いかなる、どのような |
そんな |
→ |
そのような |
こんな |
→ |
このような |
あんな |
→ |
あのような |
いくら |
→ |
いかほど |
さす |
→ |
させる |
なんぴと |
→ |
なにびと(または、なに人) |
- 実務論文では、「関して」「関する」という表現をさけ、「について」「についての」「で」「での」といった平易な表現を用いられよ。(△2)
- 客商売の者は、論文の上でも、「無論」「勿論」「当然」「言うまでもなく」「申すまでもなく」といった表現を避けられよ。(△2)
つまり、「あなたが、わかっていないといけないから申し添えるが」といった響きを生ずる。
- 「絶対に」という表現を避けられよ。
こういう言葉を安っぽく使うものでない。(△2)
- 実務論文のなかでは、「認識」「自覚」「反省」といったことばを、極力避けられよ。
読者に、強い印象を与えすぎる。(△2)
- 「○○的」「○○性」という表現を乱発するのは、子供の文章である。(△2)
- 俗語のあとに「的」をつけられるな。(△2)
(例)
よい
それは、あまりに、どんぶり勘定の傾向を示す。
よくない
それは、あまりに、どんぶり勘定的である。
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