第1章
論文の書き方
第27節 句続点
※
テンのかわりに、コンマを用いる流儀もあるが、本講では、この流儀を採らない。
(△2)
わたくしは、これをコンマにする流儀で、過去10数年行ない続けた。
が、けっきょく、日本文字に、コンマはあわないという結論に達し、これをやめている次第である。
なにか文字を書いたあとに、不用意に、テンを打つ方がある。
このくせを取り去られないと、タイピストや製版工が、泣くことになる。
(△5)
記事番号やページ番号の数字のあとに、句続点やピリオドを打つ流儀はふるい。
かわりに、1コマあけられよ。
(△2)
1文中に、番号付きの箇条書きをするとき、各箇条のあとに、句読点を打たれるな。
(△2)
(例)
文中で、句読点は、なるべく打たないほうがよい。(法令文とは異なる)
しかし、この文書心得のような説明文の場合、それぞれの語句を強調するため、限られた範囲内で、あえて句読点を多く用いることがある。
が、文頭に、接続詞、副詞、17字以上の副詞句が来るとき、そのあとには句読点を打たれよ。
(△2)
つぎの語群は、昭和43年夏に、50篇、約500ページの各学会論文から、あつめてみたものである。
ことばの種類として、すくなすぎる気もするが、われわれが、ふだん、使っている「文頭語」とは、このような程度のものであったのかとも思われる。
とにかく、日本語の1つのラチを見たような気がした。ご参考に供する。
あ行
あと、あらためて、あるいは、以上から、いっぽう、いま、おそらくは、同じことが
か行
が、結果として、けれども、現在、こういう、こうしたとき、こうしたなかで、こうして、ここが、ここで、ここでの、ここでは、ここに、この、このうち、この線を延長すると、この点、このとき、このぶんは、このように、これから、これは、これらが、これらは、これを、これをもって
さ行
さて、しかし、しかるに、したがって、従来、少なくも、すなわち、そういう、そこで、そのうち、その1つは、それ、それが、それとも
た行
ただ、ただし、たとえば、つぎに、つぎは、つまり、というのは、同時に、当然、ところが、ところで、となったならば、となると、どのみち
な行
なお、残りの
は行
はじめ、はじめに、早くも、別に
ま行
まず、また、または、もし、もとより
や行
要するに
文中にある接続詞の前後には、句読点を打たれよ。
(△2)
(例)
けれども、文中で、名詞と名詞を直結している接続詞のときは、その前後のいずれにも、句読点を打たれるな。
(△2)
(例)
国または地方公共団体
植物あるいは動物
ラジオおよびテレビ
「形容詞」や「16字以下の形容句」と、そのあとにくる名詞とのあいだに、句読点を打たれるな。
(△2)
17字以上の形容句の場合は任意とする。
ただ、そうは申すが、形容詞を並べるときは、別である。
(例)
また、「
い
」「
だ
」「
で
」「
に
」「
は
」「
ば
」というかなで始まる単語の直前での句読点は、別である。(その説明は49節参照
*
)
「副詞」、「16字以下の副詞句」のあとに句読点を打たれるか否かは任意である。
文中、句読点を打つところで、カッコ書きを抱き込むときは、句読点をカッコのあとに持っていかれよ。
(△2)
(例)
……であって(図2)、
よい
……であって、(図2)、
よくない
句読点には、1コマ与えられよ。
(△2)
ただし、テンを打つ位置が、行末で、はみ出ることになるときは、そこに打ち、次行の第1コマに持って行かないこと。
(△2)
1コマのなかで、テンの位置は、左下とされよ。
(△2)
テンの大きさは、長径1mm以上、2mm未満とされよ。
(△2)
なお、この1〜2mmというのは、つぎの拡大図で、判断されるとよい。
1〜2mmというのは、この X の長さである。
コマの上下が 8mmあるときは、句読点の垂直の長さは、0.8〜1.6mmがよいということである。
句読点を誇張して、肉太にされてはならない。
(△2)